芭蕉布の特徴とは?芭蕉布の着物や帯の楽しみ方 着こなしやお手入れは

盛夏に着る薄物の着物や、
夏のお洒落帯に用いられる芭蕉布の特徴とは、
どのようなものでしょうか?

芭蕉布の特徴と、芭蕉布のきものや帯の楽しみ方、
また、芭蕉布の着物を着るときの着こなしや、
お手入れの方法について、まとめてみました。

  

芭蕉布の特徴とは?

芭蕉布(ばしょうふ)の芭蕉とは、バショウ科の多年草で、
高さは2m~3mに成長し、更に1m~1.5m、幅50cm程の大きな葉をつけます。

花や実はバナナとよく似ていますが、種が多くて食べられません。

昔から奄美や沖縄などの琉球地方では、
芭蕉の葉鞘から採れる繊維で芭蕉布を織っていました。

つまり、芭蕉布は、糸芭蕉から採取した繊維を使って織られた布のことで、
別名蕉紗(バシャ)とも呼ばれています。

奄美の方言で不美人のことを「バシャ山」といいますが、
その昔、不美人の娘を持った親が、
イトバショウの山を付けるから娘をもらってくれ、
と頼んだことに由来しているそうです。

芭蕉布は沖縄県や奄美群島の特産品として、薄く張りのある感触から、
夏の着物や蚊帳、座布団など多岐にわたって利用される布です。

数多い沖縄の織物の中でも、
芭蕉布は、最も古くからある織物です。

13世紀ごろには、すでに織られていたようで、
17世紀になると、沖縄の人たちの暮らしに欠かせない布となりました。

ですから、芭蕉布には、500年以上の歴史があるとされていて、
その昔、琉球王国では、
王宮が管理する大規模な芭蕉園で芭蕉が生産されていました。

庶民階級ではアタイと呼ばれる家庭菜園に植えた芭蕉で、
各家庭ごとに糸を生産し、芭蕉布を織っていました。

現在の沖縄島では大宜味村喜如嘉が「芭蕉布の里」として知られています。

一反の芭蕉布を織るために必要な芭蕉の量は200本といわれ、
葉鞘を裂いて外皮を捨て、繊維の質ごとに原皮を分けます。

より内側の柔らかな繊維を用いるものほど高級な芭蕉布になります。

芭蕉は灰によって精練作業を行いますが、
芭蕉の糸は白くはならず、薄茶色であることが特徴になります。

無地織か、ティーチ(車輪梅)の濃茶色で絣を織るものが、
県外では一般的な芭蕉布と認識されていますが、
沖縄では琉球藍で染めたクルチョーと呼ばれる藍色の絣も人気があります。

戦後、連合国軍の保障占領下で進駐したアメリカ軍によって、
「蚊の繁殖を防止する為」として多くのイトバショウが切り倒され、
絶滅の危機に瀕していました。

壊滅的な状態だった芭蕉布を、
沖縄本島の大宜味村喜如嘉で平良敏子さんが復興させ、
1974年に沖縄県大宜味村喜如嘉の芭蕉布が、
国の重要無形文化財に指定され、
平良敏子さんが重要無形文化財保持者に指定されました。

近年では、紅型の特徴的な美しい黄金色を染めるフクギやアカネ、
ベニバナを用いることもあります。

芭蕉布の特徴と着物や帯の楽しみ方は?

蒸し暑い日本の夏に涼を呼ぶ素材として、
芭蕉布はとても重宝されていて、その涼しい着心地が特徴です。

7月と8月の盛夏には薄単衣のきものとして、
芭蕉布の着物はおしゃれ着に最高です。

暑い暑いと、みんなが汗ダラダラな暑いときに、
涼しげに芭蕉布の着物を着こなすことこそ、
最高のお洒落だと思います。

芭蕉をはじめ、藤、科木、樫の木、葛、ぜんまいなど、
麻や絹、木綿素材より古くから用いられていた自然素材の布を、
古代布といいます。

芭蕉布も古代布として、そのシャッキリ感が特徴で、
素材の持つ色をシンプルに生かした袋名古屋帯(八寸)に仕立てられ、
お洒落義用の織の帯としても好まれています。

自然布の最高峰と言われる芭蕉布の帯は、ハリがあり固く、
それだけに扱いも大変で結びにくく感じます。

始めはなかなか手になじみにくいのですが、
使い込んでいるうちに、いい感じに馴染んできて、
夏のお洒落着には欠かせないものになって行きます。

芭蕉布の特徴と着こなしやお手入れは?

絹でもなく麻でもない、独特のシャリ感を持った芭蕉布は、
肌に触れるとヒンヤリとした質感です。

盛夏のカジュアルの着物なので、
とにかく涼しく気取りなく着こなすことが肝心です。

帯締め帯揚げは軽装向きの夏物で色柄が合っていれば使えますが、
帯を結ぶときの帯枕を小さめにした方が、より涼しげに見えます。

バッグは、持ち手が竹製のものや、
草履は、夏物のパナマなどを合わせ、
和傘の日傘を持てば、最高の着こなしではないでしょうか。

芭蕉布のお手入れで一番知っておくべき事は、
芭蕉布は乾燥に弱いということです。

絹の着物は湿気に弱いのですが、真逆の性質を持つ芭蕉布を、
同じように管理していては、あまり良くありません。

芭蕉布はある意味強い布ですが、ケアを怠ったり、
間違った保存方法をとると、脆さをだすこともあるという訳です。

つまり、芭蕉布には適度な湿気が必要だということで、
いちばんのお手入れ法は、着てあげることです。

夏場ですから身体からでる水分で芭蕉布もかなり潤うはずですので、
あまり大事にしまいすぎるのはかえって逆効果だということです。

着用した後の着じわは、着物をつり下げて、
湿らす程度に霧吹きをし、
手で丁寧にシワを伸ばして「おし」をすると元にもどります。

芭蕉布の着物を着ない時期でも、
樟脳やシリカゲルの入った収納庫(たんす)などには、
入れない方がいいです。

あとがき

芭蕉布のサラッとした感触は、
肌にまとわりつかず、暑い夏でも涼しく着られます。

夏のお洒落としては最高の素材なのですが、
少々お値段が張ります。

でも最近はオークションなどもたくさん出品されていて、
うまくいけば、リサイクル品がお手頃に入手できます。

芭蕉布は使い込まれた物の方が着やすくていかも知れませんね。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。