ろうけつ染めは、染の技法のひとつです。
「布に溶かした蝋で絵を描き、染色して、蝋を落とす。」
ただそれだけなのです。
蝋を防染材に使い、染まるところと染まらないところを作ることで、
模様を作り出す方法です。
実際にやってみると難しい点やポイントが数々あるようですね。
ろうけつ染は、その模様に独特の特徴があり、
天平の三纈(ケチ)と言われ、正倉院の御物にも残される、
纐纈(コウケチ)・頬纈(キョウケチ)・蝋纈(ロウケチ)のうちの、
蝋纈にあたるものです。
ろうけつ染めの簡単なやり方についてまとめてみました。
ろうけつ染めの簡単なやり方は?
ろうけつ染とは?ですが…
筆などで溶かした蝋を布に塗り、模様を描き、
染料にてその布を染色し、蝋を落として水洗いします。
蝋を塗った部分は白く染め抜かれ、
複数の染色のためにはこの工程を繰り返します。
蝋に、乾燥ひび割れを入れることによって、
独特の亀裂模様を作り出すことも多いようです。
生地に溶かした蝋を塗ったところは染まらないので白のままになります。
ろうけつ染めは「バティック」とも言い、
インドネシアやマレーシアの特産品になっています。
ユネスコの無形文化遺産にも登録されているそうです。
面白そうな染色方法なので、やってみたいと思うのですが、
専用の道具を揃えるのがとても大変そうです…。
手に入りやすい材料で、
PAC FABRIC DYEを使って手軽に染色できる方法を考えたので、
紹介したいと思います。
100円ショップで代用できそうな道具を購入してきました。
金属製の容器、ろうそく、筆です、購入するものは以上です。
・染色手順
1、ろうそくをカッターで細かくします。
2、容器に熱湯を入れ、湯煎でろうそくを溶かします。
ろうそくが溶ける温度は65℃くらいです。
温度が下がると再びろうそくが固まってきます。
温度が下がってしまったら途中でお湯を温め直してください。
※ヤケドに注意!
3、生地を用意します。
新聞紙の上に、ハンカチなどの綿の白生地(乾いた状態)を置きます。
4、溶かしたロウを筆で塗っていきます。
文字や柄を自由に描きます。
ロウは塗るとすぐに固まってしまうので、
細かいデザインは難しいと思います。
筆に付くロウもすぐに固まってしまいます。
描きにくい場合はティッシュペーパーで塊を取ってください。
5、生地を染色します。
(生地は流水で湿らしてから、染色液に浸けました。)
ロウが取れないように注意しながら染めてください。
以下の3点がポイントです。
・平たい容器で染色(生地が擦れてロウが取れないようにするため)
・水量はやや多くして染色(生地が擦れてロウが取れないようにするため)
生地が浮いてきたら、やさしく沈めるようにすると良いです。
6、すすぎます。
この時にロウが剥がれそうであれば、取り除きます。
ロウは下水に流さないようにお気をつけください。
7、色止めします。
8、乾かしたら完成です。
ロウを塗ったところは染まらずに白く残りました。
ロウを塗るのが難しいので細かいデザインはできませんが、
文字はなんとか書けました。
裏面はぼんやり防染されました。
ロウが落としきれなかった場合は、
新聞紙に生地を挟み、
新聞紙の上からアイロンをあててロウを溶かします。
溶けたロウを新聞紙に吸わせてロウを落としてください。
少し難しい点はありますが、
100均の材料でもろうけつ染めをすることができました。
ろうけつ染めにご興味のある方、ぜひ参考にしてみてください。
ろうけつ染めの小麦粉を使った方法は?
小麦粉を使って染める方法を、ジンバブエ流と言います。
ジンバブエ流を紹介したいと思います。
ジンバブエ流バティックの材料
白い布
ブラシ
小麦粉
・ジンバブエ流バッティックの作り方
材料のところでネタバレですが、ロウではなく小麦粉を使います。
①小麦粉を水に溶かしてどろどろにします。
※新しい布の場合は一度水で洗って乾かしたものでないと、
水溶き小麦粉をはじくことがあります。
②先が細い何かボトルに入れて、布にデザインを描きます。
私は使い終わったマヨネーズのボトルの底を切って使いました。
(鉛筆で下書きしています。チャコペンがあるならそちらがいいです)
③パリッパリに乾いたら、布をくしゃくしゃっと丸めて、
乾いた小麦粉をバリバリッと砕いていきます。
バリバリに割っても布からははがれません。
バリバリに砕かれた小麦粉の間に後から塗る染料が入り込んで模様に線が入ります。
これはろうけつ染めの特徴と同じです。
③今度はバリバリの小麦粉の上から好きな色に染めていきます。
④ブラシを使って染料を塗っていきます。
全部塗り終わり乾いたら、アイロンをかけます。
アイロンで小麦粉が焼けて、クッキーみたいなにおいがしますよ。
⑤後は水でしっかり洗って、小麦粉を落として乾かしたら完成です。
ろうけつ染めの代用できる材料は?
蜜蝋クレヨン世界代表のシュトックマー社には、
なんと、ろうけつ染め用クレヨンがあります。
品質にこだわった納得のドイツの蜜ろうクレヨンです。
これを使ってみるのも良いとおもいますよ。
ろうけつ染めは、バティックとも言います。
ろうそくで絵を描いたものを染料で布を染めて、
仕上げとしてロウを落として水洗いしていきます。
世界各国でろうけつ染めは伝統として受け続かれています。
布に絵を描くだけでは表現できない、
繊細な淡く浮き出るタッチが再現できます。
草木染めと一緒に、
簡単な蜜ろうクレヨンでのろうけつ染めはいかがでしょうか?
簡単ですが行程を書いておきます。
◇最初に絵付け
先ずは下絵を描く事をオススメします。
ろうけつ染め用の蜜ろうクレヨンで絵を描いていきます。
細い線であればロウを溶かしながら筆で書き入れてください。
◇次ぎは染料です。
藍やマクア(真桑瓜)の濃い色であればろうけつ染めは映えますが
これらの染料は取り扱いが難しく、
入手も難しいので、近くで手に入る染料でもOKです。
春の草木染めの草花をご紹介します。
*ヨモギ
畑や土手・ハイキング途中で見つけてください。
五月頃になれば背も高く見つけ易いです。
*オオキンケイキク
黄色い花を染色に。
河原や土手に満開に咲く背の高いキク科の植物です。
*桜
桜の枝を使います。
農薬をかけていない木を選んであげて下さい。
*どんぐり帽子
公園でお散歩すれば足もとにごろごろ!
お子さまと同じ目線で一緒に集めて下さい。
*枇杷の葉
綿毛をとって染色に。
健康万能な枇杷の葉は染色にも向いています。
その他玉ねぎの皮やウコンなんかは手軽ですよね!
季節の植物色々・・・適切な量があれば大丈夫です。
葉や天候、気温、水、火の炊き方、布、定着、
環境ひとつかわるだけで仕上がりもまた変わってきます。
◇仕上げに
染色が終わったら、水洗いをして染料を流します。
熱湯でロウを溶かして落として仕上げです。
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あとがき
ろうけつ染めについて、
紹介しましたがいかがだったでしょうか?
知り合いに、自然の物で染色をしている人がいるのですが、
とても綺麗です。
ぜひ一度、挑戦してみてください!
あなたオリジナルのハンカチとかって素敵じゃないですか?
ろうけつ染の魅力は、
永い永~い歴史とともに、
愛され、伝え継がれてきたものなんですね。
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