着物のたたみ方は難しそうに感じますが、
実はとっても簡単なのです。
何故なら、着物の形自体がとっても単純な形だからです。
その形の成り立ちを知ってしまえば、
たたむことも難しくはありません。
自分でできる簡単なお手入れや保管の仕方も
トライしてみてください、
『習うより慣れよ』です。
着物のたたみ方 本だたみを図解で説明
着物をたたむとき、まず着物を広げなければいけないのですが、
広げるところが汚れていてはいけませんので、
畳の上でたたむのでしたら、さきに畳を乾拭きしましょう。
それ以外のところでたたむときは、花ござや大きなたとう紙を広げて、
その上でたたむようにしてください。
着物をたたむときは、箪笥の大きさや収納する容器によっても違いますが、
できるだけ大きくたたんだ方が余分なシワが出来ずに済みます。
着物のたたみ方には、一般的な着物のたたみ方の本だたみと、
振袖や留袖などをたたむ夜着だたみ(衣装だたみ)があります。
衣装だたみというのは、着物に刺繍や摺伯などの加工が施してあって、
本だたみでは模様のところが折れてしまう場合のたたみ方です。
どちらでたたむ場合でも、刺繍や摺伯の施してある部分や、
紋のところには、和紙などを当てて着物が傷まないようにしてたたみます。
振袖や留袖などは、折山のところに和紙を丸めた物や、
真綿をガーゼにくるんだものなどを入れて、
折山がきつく折れないようにします。
①肩山を左に、右に裾が来るようにして着物を広げます。
この時、着物全体に汚れや傷がないか、
裏地の部分も問題ないかも丁寧にチェックします。
平らに広げたら、脇の縫い目で折ります。
次に下前の衽(おくみ)を、衽線で折り返します。
②着物の形は左右対称(シンメトリー)にできていて、
同じ形の部分が二つづつあります(衿以外)
上前の衽と下前の衽の裏側どうしを合わせるようにします。
そのまま衿付けの肩山まで、シワにならないように気を付けながらたたみます。
③衿のところは背中心のところで衿を内側におり、(C)
衿肩の両角を三角におります。(A・B)
(C)は背縫いに続きます。
(A)と(B)を合わせるようにして、衿の内側全体を重ねます。
④向こう側のわきの縫い目を、手前側のわきの縫い目に重ねます
わきの縫い目どうしを裾から全部重ねます。
すると、ちょうど背縫いのところで折れます
これで左右の身頃が重なりました。
袖も同じように一度かさねます。
⑤左袖を身頃の上に折り返します。
⑥身頃の丈を二つ折りにします。
⑦着物がずれないように気を付けながら、
全体を向こう側に返します。
右の袖を身頃の上に重ねます。
着物の着た後の始末と簡単なお手入れ
着物は着た後のお手入れに細かい心配りをすることで、
いつまでも着物を美しく保ちたいものです。
着物をしまうときだけでなく、着物を着る前も、
着物に触るときは、
まず最初に手を洗ってから取り扱う習慣をつけてください。
一度着た着物は、そのままたたんでしまってはいけません。
着物を脱いだら、すぐに衣紋掛け(着物ハンガー)にかけて、
サッと風通しをして着た時のぬくもりをとり、
一晩おいて、湿気をとります。
二日も三日も掛けっぱなしにしておくのは良くありません、
生地の重みで裾に袋が入ります。(表地と裏地の間にずれが出やすくなります)
長襦袢やウールの着物など、汗をかいた場合、
脱いだらすぐに、裏側をよく絞ったタオルと乾いたタオルで挟んで、
汗を抜き、乾いたタオルで挟むようにしてシッカリと湿気をとってから掛けます。
絹物で、シミなどの汚れがあった場合は、汚れのところに糸印を付けて、
専門店に染み抜きを頼みます。
この時、汚れの種類がわかっていれば、果汁とか油とか、
具体的な状態を伝えるようにしましょう。
一晩おいて湿気をとった着物は、
清潔な乾いたタオルなどをブラシ代わりに使って、
埃を落としてから、たたんでしまいます。
帯はぬくもりのあるうちにたたみます。
脱いだらすぐに糸目を立ててたたんでしまうと、
異論を当てる必要もなく、しかもピンとさせて保存することができます。
着物を着ての外出で、一番心配なのが雨の日です。
泥はねなどをつけてしまっては、
せっかくのきものが台無しです。
しかし、最近は防水ガード加工(パールトーン加工など)の技術が進歩して、
思わぬ汚れから着物を守ることができるようになりました。
ガード加工は、国宝などにも施されており、
高価な着物には、仕立てる前に加工しておく方がよいでしょう。
着物の保管の仕方
着物は、一着ずつたとう紙に包んでしまいましょう。
着物を買ったときや、仕立て上がったときに入っていたビニール袋などに、
そのまま入れておくと、通気性がないので、生地が傷んでしまいます。
また、あまりたくさんの着物を重ねてしまうのも禁物です。
浅めの衣装箱などに収めて、刺繍や金箔などが入った着物は、
できるだけ一番上に乗せます。
金銀糸や金銀箔の施された着物には、パラ剤を使わないように、
また、二種類の防虫剤を一緒に使うこともやめた方が良いです。
きもの用の樟脳を使うようにしてください。
匂い袋は防虫剤の役目をしてくれますし、湿気も吸収してくれます。
平安時代には着物にお香を焚き込めたくらいですから、
お気に入りのお香を半紙などに包んで、箪笥や衣装箱の隅に入れておきます。
ウールの着物は、虫が付きやすいので、
絹物のきものとは一緒にしまわないように、
別の引き出しにしまいましょう。
輪ゴムなどのゴム製品は、
化学変化を起こして、金糸、銀糸、箔を変色させてしまいますので、
衣装箱に入っていないか気を付けてください。
和紙のたとう紙は、絹を湿気から守り、適度な通気性もあっるので、
着物の保管には最適です。
乾燥剤は、直接たとう紙の中に入れず、
押し入れや箪笥に入れておく方が着物には良いのです。
あとがき
大好きな着物は、大切にしてあげると、
いつまでも美しいままでいてくれます。
ちゃんとお手入れしても、
人間はそうはいきませんね、残念!