きものの着付け 体型補正のポイントときれいな衿袷のコツ 衣紋の抜き方

着付け


着物を着るとき、また、着物を着付けるときに、
覚えておきたい着付けのポイント。

美しく着付けられて、着崩れしないための体型補正や、
個性にあった衿袷のコツ、
衣紋の抜き加減について、
そのポイントをまとめました。

着物を着るとき、着せるときの参考になればと思います。

  

きものの着付け 体型補正のポイント

自分で着物を着るとき、また、人の着物を着せるときなど、
着付けの際に覚えておきたい、体型を整える『体型補正』ポイントは、
ウエスト、肩、胸、ヒップです。

まず、着物が着崩れしにくく、
着物姿を美しく見せてくれる体の形は『ズンドウ』です。
動くことでその部分の寸法や形が変わります。

着物は、一反の長細い布を直線立ちして、平面に縫い上げます。

畳んだときの着物を見ればわかるように、
フラットな衣装です。

人のカラダは、柔らかく丸みがあり、人それぞれに凹凸があって、

平面のものを、曲面に添わせるのですから、
動きによるズレ(着崩れ)が起きるのは当然です。

着物を着るときの体型補正は、
カラダの凹んだ部分を最小限埋めることで、
凹凸を少なくし、平面の布が添いやすいようにするものです。

ウエストは体の脇に厚みを付けることが目的で、
タオルなら横に2~3等分に折りたたむか、
吸湿性のある市販品の補正具を利用して、クボミをなくします。

肩は首の付け根から鎖骨、バストの谷間のヘコミを、
ガーゼに包んだコットンなどで補いますが、
これも市販品の補正肌着などを用いることもできます。

胸は膨らみを押さえるための和装ブラジャーも販売されていて、
特に胸のふくよかな方は前をスッキリと押さえることができます。

美しく着付けるための和装ブラジャーは、
前ホック式や前ファスナー式のものなど、多くの種類があり、
自分で補正を加減できるパッドが付いているものもあります。

ウエストとヒップトップの間にクボミがある場合は、
お太鼓の垂れが上がりやすいので補正が必要です。

これらの補正に使うものは、
晒やガーゼを用いて自分で作ることもできます。

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きものの着付けのポイント きれいな衿袷のコツ

着物を着た時、衿元の乱れは一番気になるところですので、
長襦袢の着かたが最も大切です。

襦袢の半衿が動かず、衿元の美しさを長く保つには、
どのような位置に衿袷をすると良いのでしょうか。

衿袷は一般的に、喉のくぼみが見える程度に合わせ、
バストトップに襦袢の衿がかかるのを目安にすると、
衿元が安定し、衿元の着崩れを防いでくれます。

この時、長襦袢の背のところの外側に、
幅10㎝位で6~70㎝位の晒(力布)を、半衿の下から付けておくと、
衿元が乱れそうになった時、
着物の裾をめくり、その布を引き下げることで、
衿の乱れが元に戻りやすいです。

きものの着付け 衣紋の抜き方のポイント

襟足の美しさは着物姿の基本です。

衣紋の抜き加減はその人のお好みですが、
首の付け根から後ろの衿山まで、
手の指を立てて四本入る程度が基本です。

しかし、衿の抜け加減は、
その人の個性を強調できるところですので、決まりはありません。

ただ、人が見ていて、
衿が首にくっ付くような感じは、窮屈そうに見えます。
また、
抜き過ぎじゃないかと思われるようなことがないようにしましょう。

横や後ろから見た時に、
後ろ衿が極端に抜き過ぎると下品になりますので気を付けてください。

衿の抜き加減は、ヘアスタイルによっても違ってきます。

どちらかといえば、
ふくよかな人や、髪をアップスタイルにしている人は、
やや抜き加減にし、
スリムな方や、ショートヘアーの方は、
衿の抜き加減は少なめな方が似合うと思います。

あくまで衣紋の抜き加減は、着る人の好みや、
着物の種類、着ていく場所によって、多少異なります。

あとがき

着物を美しく着るための、着付けのポイントは、
頭で覚えるよりも、何度も何度も着てみて、着せてみて、
場数を踏むことですね。
それともう一つ、
キレイな着物姿をたくさん見ること。
目の中に美しい着物姿を焼き付けて、
それに近づけようとすることが、
着付け上達の近道ですね。