袷の着物を着る時期はいつからいつまでなのでしょうか?
着物を着るときに気になるのが、
「この着物は今着てもいいのだろうか?」って、
着る着物に悩んでしまうことですね。
決まりごとに縛られていて、面倒臭いと思われていませんか?
着物も洋服と同じ『衣服』です。
「暑いなー!」とか「寒いよー!」
その感覚で着ればいいと思いますよ!
袷の着物を着る時期はいつからいつまで?
『袷の着物を着る時期とは』という一応の決まりごとはあります。
でも、着物を着る人が『暑い』『寒い』を感じるのですから、
おおよその決まりに従って、臨機応変に対応すればいいのです。
ですから、ここではそのおおよその決まりというものを、
説明させていただきます。
まず、袷の着物って何?ということですが、
要するに、裏地の付いた着物ということです。
着物の仕立て方には、袷仕立てと単衣仕立てがあって、
裏地を付けて仕立てられた着物が袷の着物なのです。
袷の着物についている裏地は、
胴裏という部分と八掛という部分に分かれます。
胴裏は着物の上半身の裏につける布のことで、
近頃はベンベルグなどの化繊を用いることが多くなりましたが、
昔は“もみ”と呼ばれる紅色の絹を用いました。
紅花(べにばな)で染められた紅色には保温効果があったので、
女性の体が冷えないようにするための知恵だったのです。
着物の裏側の裾についているのが八掛という布で、
前後ろ四つの身頃と、両衽の6か所と、両衿先の裏側に付けるので、
8か所につけるということで、八掛と言ったようです。
ですが、袖口にもつけるので、実際には『十掛け』になります。
裾や袖口に八掛を付けるのは、汚れ防止のためで、
着物を長く着ていて汚れてきたら、
八掛を取り換えるということをしていたのです。
この八掛という言い方は、主に関西地方での言い方だったようで、
関東の方では“裾回し”という言い方もされます。
さて、袷の着物を着る時期ですが、
単衣物が6月と9月、薄物は7・8月ですから、
残りの10月から5月までが、袷の着物を着る時期ということです。
しかし、10月でもまだ暑い日があったり、
4月も後半になれは、半袖を着たくなるような気候の時もあります。
そんな時は、中に着る長襦袢の種類で、
体温の調節をすると良いのです。
その他には、単衣の着物に八掛だけを付けて、
胴の部分は単衣のままにする方法もあります。
着物を着るとき、どの着物にどんな帯を合わせると良いのか難しいですね。帯にはいくつかの種類があり、着物によってに相応しい帯があります。室町時代から発達してきた帯は、時代とともに変化し、現代のような形になりました。帯の名称や使い分けは、帯幅や帯の仕立て方、時には素材や用途によって異なります。現在、主に使用されている帯、丸帯・袋帯・名古屋帯・袋名古屋帯・半幅帯・兵児帯の五種類をご紹介します。 丸帯丸帯は、帯の中でも最も格の高い帯です。糸錦・金襴・琥珀錦など、全体に模様を織り出した、広幅(約70㎝)の... 着物に合った帯の種類の見分け方 丸帯・袋帯・名古屋帯・半幅帯の違いは? - きもの お着楽ざんまい |
袷の着物に着る長襦袢は?
10月から5月までが、袷の着物を着る時期ということで、
それに合わせる長襦袢とはどんなものなのでしょう。
着物に単衣と袷という仕立て方の種類があるように、
長襦袢にもいくつかの仕立て方の種類があります。
単衣仕立ての長襦袢は、生地の素材も多彩です。
盛夏に着る薄物の着物の時に着る長襦袢は、
上の着物の素材に合わせて、絽の着物には絽の襦袢を着ます。
麻の着物や紗の着物でも、着物に合わせるのが良いのですが、
盛夏用として絽の襦袢を着ることが多いようです。
6月の初夏や、9月の残暑の時は前半なら、
盛夏用の長襦袢を着てもいいと思います。
そして袷を着る季節の長襦袢の仕立ての種類は、
単衣仕立て・袷仕立て・無双仕立てがあります。
単衣仕立ての襦袢は、
浴衣のように単衣に仕立てた襦袢のことです。
袷仕立ての襦袢は、胴裏が付いていて、
裾は表地が10センチくらいかえっています。
無双の長襦袢というのは 袖無双とも言い、
裾の返りの部分が3寸(10cm位)あり、
胴裏は付いていません。
袖は同じ生地を袱紗にして仕立てたものです。
ですから、
7月8月の薄物を着る時期を除き、
9月から翌年の6月までの10ヶ月間を
単衣の着物に薄物の長襦袢
単衣の着物に単衣の長襦袢
袷の着物に単衣の長襦袢
袷の着物に袷の長襦袢
というふうに気温に応じて組み合わせることができます。
袷の着物用の長襦袢に使われる生地は、
紋綸子や一越縮緬が多く、
単衣用には、
竪しぼのある楊柳が 肌触りがよいことから好まれます。
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袷の着物を着る時の小物の合わせ方は?
袷の着物を着る時の小物の合わせ方としては、
盛夏用のもの、絽・紗・麻以外のものを用いるということです。
礼装の場合は礼装用のセットで揃っていると思います、
普段着の場合、
小物の合わせ方は自由です。
自由なだけに、センスや感性が求められる所ですが、
個性を表現できるポイントでもあるのです。
半衿と伊達衿の違いをよく訊ねられますが、半衿と伊達衿は、そもそもまったく違うものです。半衿と伊達衿がどのように違うのか、伊達衿や重ね衿はどのように使うものなのか?素材の選び方や付け方、半衿と伊達衿や重ね衿、また、かけ襟とは何かについてまとめてみました。 半衿と伊達衿の違いはなに?重ね衿やかけ襟とはどう違う?まず、伊達衿と重ね衿は同じもので、言い方が違うだけです。伊達衿(重ね衿)は着物の襟に縫い付けて使うものですが、半衿は長襦袢の襟に縫い付けて使います。伊達衿は、きものを二枚着しているように見... 半衿と伊達衿の違いと素材の選び方や付け方は?重ね衿やかけ襟とは何? - きもの お着楽ざんまい |
半衿も帯揚げも、それほど大きく見せるものではありませんので、
少しづつ冒険しながら実験してみることも楽しいと思います。
普段着やおしゃれ着は、
遊び心を試せるチャンスです。
着物は、ずーっと前から同じ形だったわけではなく、
じわじわと、その時の生活様式などによって、
少しづつ変わってきたのですから、
これから先も、変わっていくことと思います。
ドレスコードが指定されていないところは、
どんどんチャレンジしてみませんか?
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あとがき
近頃、キレイな着物を着た人を、
街でよく見かけます。
でも、そのうちの半分以上が海外の人です。
外国の人に着物はこんなにも評価されているのですから、
日本人も、もっと着るようにならないといけませんね。