単衣の着物を着るときの長襦袢の選び方に、
悩まれている方が多いようです。
着る場面によっての決まりごとがあって、
きものは難しいと感じられる方が多いのですが、
地球温暖化の影響もあって、
時期と体感温度が昔とは違ってきているようです。
そんな時「〇月だから、これを着なければいけない!」とか、
「〇月になったら、それは着てはいけない!」
などというのはナンセンスだと思います。
そんなことを言うから、
着物を着ようと思う人が少なくなるのは当たり前ですね。
暑いから、涼しいように、
寒いから暖かいように着るのが衣服の目的でもあるわけで、
自分自身がどう感じるかが基本です。
加えていうなら、
観ている人の目に暑苦しく感じたり、寒そうに見えないこと、
着ている人が心地よく着物を着ていると見えるのがポイントです。
単衣の着物を着るときの長襦袢の選び方や、半衿についてまとめました。
単衣の着物を着る時の長襦袢の選び方は?
きものの仕立て方には、裏地が付いている袷仕立てと、
一枚仕立ての単衣仕立てがあって、
冬用と夏用に分かれます。
制服などに夏用と冬用があるのと同じです。
単衣の着物は、おもに夏用に用いられる仕立て方で、
薄物といわれる盛夏用の着物も、単衣に仕立てますから、
単衣の着物になります。
長襦袢にも袷仕立てと単衣仕立てがあります。
無双仕立てという長襦袢の仕立て方があります。
袖だけを二重に仕立て、裾の返りを多くした、
袷に見える仕立て方ですので、袷の襦袢とみなします。
単衣仕立ての着物には、単衣仕立ての長襦袢を着ますが、
単衣の着物を着る時期になる少し前の、
袷では少し暑く感じるときは、
袷の着物に単衣の襦袢を着ることもありますが、
単衣の着物を着る季節になって、
肌寒いからといって、中に袷の襦袢を着るということはありません。
そもそも着物を着ていて、
中に着ている襦袢が袷か単衣かがわかるとしたら、
袖口と振りのところだけで、裾まわりは見えません。
ただし、盛夏用の薄物の着物の場合は透けているので、
中に着る襦袢は、仕立て方も素材も盛夏用に合わせます。
きものの季節は先取りするのが粋とされていますから、
初夏の声を聴いたら、
単衣(盛夏用を除く)の着物を着る季節となります。
そして、本格的に単衣の季節となれば、
中に着る襦袢は、
絽のような薄物の素材を用いてもかまわないのです。
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単衣の着物を着る時の長襦袢に適した素材の選び方は?
きものの下に長襦袢を着る目的は、
体温の調節と、
汗や体の皮脂などの汚れが着物に付かないようにすることです。
長襦袢の素材には、綸子やしぼの細かい一越縮緬の、
正絹や、モスリン、ポリエステル、アセテートなどがあります。
正絹のものは適度な滑りがあって、裾さばきも良いのですが、
汗をかく季節には、洗濯しやすい合繊のものが便利です。
近頃は、合繊や化繊でも、肌触りがよく滑らかで、
扱いも楽な素材が出来ています。
袷の襦袢では紋綸子が一般的ですが、
単衣襦袢の場合、竪しぼがあって肌触りの良い“楊柳”が人気です。
そのほか、夏用の素材として、絽や紗、麻や麻の混紡がありますが、
きものの風合いに従って、襦袢の素材を選ぶようにします。
一般的に夏の着物と言えば、単衣物や薄物になり、単衣は6月と9月、薄物は7月と8月と言われています。しかし、地球温暖化の影響で、夏はさらに早くから暑くなり、5月でも単衣を着てもいいような風潮になってきています。でも、暑いから着物を着ないというのは、ちょっと寂しいですね。どうにかして夏でも着物を涼しく着られるような工夫をして、夏の着物を楽しんでみませんか?着物を着る人が少なくなる夏だからこそ、着物を涼しげに着こなして、すてきな夏を過ごしたいものです。そんな夏の着物を涼しく着るコツをお伝えします。 夏... 夏の着物を涼しく着るコツは?暑さ対策の汗取りやうそつき衿と居敷当ての付け方 - きもの お着楽ざんまい |
単衣の着物を着る時の長襦袢の色使いと半衿の素材は?
単衣の着物でも、
留袖や喪服のような礼装の場合は白が決まりです。
訪問着や付け下げ、小紋の場合でも同じですが、
単衣仕立てなので裏地がないぶん透けやすくなっています。
表の着物にひびかないよう、はっきりとした柄や強い色目を避け、
淡い色目のぼかしなどが合います。
長襦袢は着物の中に着るもので、ほとんど外からは見えないものですが、
わずかに見える袖口と振りから覗く色合いは、
日本人の美意識とともに、着物を引き立てる役目を持っています。
単衣の着物を着るときに注意するところで重要なのが半衿です。
半衿は長襦袢の襟についている、
着物の襟に汚れが付かないための汚れ防止ですが、
着物を着た人を見た時、一番目に付くのは衿元ですから、
中に着る襦袢よりも、
半衿には十分気を使ってほしいところです。
半衿も礼装の場合は必ず白を用います。
訪問着や付け下げでも、
正装として着るときの半衿は白が基本で、
その場合、華やかさを出すのなら、
白地に白糸や金糸銀糸でおめでたい柄を刺繍した半衿が合います。
お洒落感覚を楽しむときは、
色の半衿や刺繍のものを用います。
色の半衿は地味な着物を明るく見せるためのもので、
紬や木綿の着物に適しています。
単衣の着物を着るときの半衿には塩瀬が合いますが、
夏に近づけば、
紬や御召の着物には絽縮緬を用いることもできます。
盛夏になって薄物の着物を着る場合、
絽の着物には絽の半衿、
紗の着物には紗または絽の半衿、
麻の着物には麻の半衿を用いると、着物が生き生きとしてきます。
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あとがき
夏に着物を着る人が少なくなった分、
夏の着物姿は、それだけ最高のお洒落感があります。
浴衣もいいですが、
あまり難しく考えすぎないで、
どんどん単衣の着物や夏の着物にチャレンジしてほしいですね!