きもの お着楽ざんまい

夏大島紬の着用時期はいつ?特徴や合う帯のコーディネートで注意することは?

暑い夏も、粋に着物を着こなしたいと思われる方にとって、
夏大島ほどピッタリな着物はありません。

着物好きな方に大人気の夏大島ですが、
いったい夏大島とはどのような着物なのでしょうか。

夏大島の特徴とは何か、夏大島を着る時期はいつなのか、
また、夏大島とあわせる帯の選び方など、
夏大島についてまとめてみました。

  

夏大島とはどんな着物で特徴は何?

精緻な絣柄と泥染めで知られる大島紬ですが、
ひとくちに大島紬といっても、いろいろな種類があります。

現在は泥染めを施した『泥大島』のほかに、
藍染を加えた『泥藍大島』植物染料だけで染めた『草木染大島』、
化学染料による『色大島』春先や単衣の時期にふさわしい白地の『白大島』、
そして『夏大島』があります。

『夏大島』は、透けるように薄いのが特徴で、
夏大島を手に持つと、フワリと軽く、
他の単衣物とはだんぜん違った感覚をおぼえます。

夏大島は、その軽さ・ハリ・艶やかさ、そしてひんやりした感触もあり、
まさに梅雨のシーズンにぴったりの着物と言えます。

夏大島は、盛夏用に強い撚りをかけた糸を用いて織られた大島のことです。

強い撚りのおかげで織り目の間に隙間ができ、
透け感と通気性が生まれます。

鈍い光沢とシャリ感があり、涼感のあることがいちばんの特徴です。

一瞬で心を奪われる、
そんな贅沢な夏大島は 経糸・緯糸の両方に強い撚りを掛けて織り上げており、
透けるような涼やかさ、軽くシャリ感のある風合いが魅力です。

絽や紗の『薄物』と言われる着物は、透け感もあり、柄の付き方によって、
付け下げや訪問着、色無地、留袖、振袖などの、正装用にも用いられますが、
夏大島は、礼装用ではなくお洒落着ですから、
ちょっとしたお出かけや観劇など、街着には最適です。

夏大島と間違われやすいのが白大島です。

白っぽい地色が特徴の『白大島』ですが、
白大島は、泥染めに使う泥に鹿児島・入来鉱山で産出される、
白土から採れる「カオリン」という粘土鉱物を用いた「白泥染め」で、
透け感はありません。

そのまま単衣に仕立てれば単衣の着物、
胴裏八掛をつけて仕立てれば袷の着物になりますが、
盛夏の薄物の着物にはなりません。

また、越後夏大島というものがあるのですが、
越後なのに大島?って、なんだか不思議なネーミングですね。

越後夏大島や越後夏結城は新潟十日町周辺で織られている夏の紬です。

風合いが夏大島や夏結城に似せてあるので、
この名前が付けられていますが、
あくまでも機械織りですので、本場ものとは根本的に違います。

でも、コピー商品ではなく、
独自のブランドとして確立されているものですから、
着心地やシャリ感の風合いはなかなかのものです。

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夏大島とはどんな着物で着る時期いつ?

着物には「袷の着物」「単衣もの」「夏の薄物」があります。

基本的には「単衣もの」は6月と9月、
「夏の薄物」は7月と8月の盛夏の時とされていて、
あとの時期は「袷の着物」となっています。

しかし、何かの式典や披露宴などの格式を重んじる場所でなければ、
6月中旬以降の暑い日には、夏の薄物を着てもいいと思います。

着物の季節は先取りがオシャレとされていますので、
時期を早めて着るのはOKですが、
遅く着るのはNGというのが一般的な見解のようです。

例えば、6月中旬以降に夏の薄物を着るのはOKですが、
9月中旬以降も夏の薄物を着るのはNGといったところです。

『夏大島』は、「単衣もの」か?「夏の薄物」か?ということですが、
それは透け感によります。

かなり透け感の高いものは薄物の扱いとなり、6月末~9月初旬に着用し、
それほど透け感の高くないものは、
6月~9月と幅広く着用しても良いと思います。

透け感が低いものはそれなりに重たいイメージになりますので、
真夏に着ることは避け、
6月と9月の単衣物の時期で、
チョット暑いと感じるときなどに適しているのではないでしょうか。

ということで、『夏大島』は、7・8月のものとされていますが、
単衣の季節から着ても構わないと思います。

「6月は薄物は着ていけない」
「薄物は7月にはいってから」

いつの頃からかできてしまった季節ごとの組み合わせの決まり事が、
着物を着にくいものにしていると思います。

地球温暖化の影響で、
昨今の夏の暑さは半端なく、
猛暑・激暑、さらにこの上は何というようになるのでしょうか。

昔は扇風機だけで夏を越せたのに、
今では6月くらいからクーラーのお世話になったりします。

また、日本列島は南北に長いので、地域によっての気温の差もあり、
6月だから…とか、もう9月なので…という風に一概には言えません。

暑いと思えば単衣、寒ければ袷、もの凄く暑かったら薄物、
これでいいと思いませんか?

真夏に綿入れや毛皮を着ていたら、
「あの人、チョットおかしいんじゃない?」って言われるかもしれませんが、
たとえば5月に夏大島を着ていて、
「それ、間違ってます!」って、
はっきりと言いきれる人が、どれほどおられるでしょうか。

礼装ならば仕来りや風習がありますが、
夏大島は、先染めの織りの着物ですから『おしゃれ着』です。

別に、他人さんに迷惑かけるわけじゃないので、
自分自身の体感温度で決めてもいいと思うんですよね。

夏大島は湿気に強いという特徴があるので、
梅雨のシーズンには重宝する着物ではないでしょうか。

ただし、当たり前のことですが、半衿や帯揚げ、帯締めなどの小物とか、
帯や長襦袢の組み合わせは、考慮する必要があります。

「大島紬は高い!」着物に興味がない方には、そんな情報だけが伝わっているようですが、大島紬とはどんな着物か、その工程の緻密さを知って頂ければ納得できるはずです。着物のおしゃれを楽しみたい人は、ぜひ大島紬とはどんな着物かを知って、大島紬の良さを肌で感じてください。  大島紬とはどんな着物大島紬とは、鹿児島県奄美大島と鹿児島市周辺、宮崎県都城市で作られている、平織の絹織物のことです。奄美大島で作られて入りものを『本場奄美大島紬』といい、鹿児島や宮崎で作られているものを『本場大島紬』と呼びます。大島...
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夏大島とはどんな着物で帯の合わせ方で注意することは?

夏の帯も着物と同様に素材の種類は豊富です。

夏ならではの帯の素材には、
これも着物と同様、透け感のある羅や紗、麻などがあります。

厚手に織られた生紬なら、単衣の織りの着物には向いていますが、
その他のものは、盛夏の絹や麻織物などに合わせます。

博多帯は通年使用することができますが、
盛夏向きの紗献上の帯なら、より一層夏らしい装いになります。

夏帯も以前は素材の応じて細かく使い分けられていましたが、
今はそれほど難しいことを言わず、
透ける生地は初夏から使って良いようです。

初夏は早めに夏帯を使ってもいいですし、
初秋の9月中旬でも、
暑いときは夏生地の帯を使っても構わないと思います。

ということで、
夏大島に合わせる帯は、
真夏寄りでしたら羅や麻、紗献上などが気軽に使えて良いですし、
ちょっとしたお出かけには絽綴れや、芯なしの紗の帯が重宝します。

夏大島に帯を合わせる時は、
見た目の地風や透け感と、全体の色合いが大切です。

帯と着物の組み合わせで、暑苦しく感じたり、
重たく感じることのないようにします。

また、帯と着物の両方が主張し合っても暑苦しく感じますし、
全体を白っぽくすると、ぼやけた印象になりやすいです。

夏大島を含めて、夏のお洒落着物を着こなすポイントは、
涼やかさを大切に、涼しく見えるように。。。です。

帯揚げや半衿は絽、帯締も見た目に涼し気な夏組、
草履はパナマやメッシュでで決めて、
和傘の日傘などさして見てはいかがですか。

さらにもう一つ、
背筋を伸ばし、涼しい顔をして着ることですね。

一般的に夏の着物と言えば、単衣物や薄物になり、単衣は6月と9月、薄物は7月と8月と言われています。しかし、地球温暖化の影響で、夏はさらに早くから暑くなり、5月でも単衣を着てもいいような風潮になってきています。でも、暑いから着物を着ないというのは、ちょっと寂しいですね。どうにかして夏でも着物を涼しく着られるような工夫をして、夏の着物を楽しんでみませんか?着物を着る人が少なくなる夏だからこそ、着物を涼しげに着こなして、すてきな夏を過ごしたいものです。そんな夏の着物を涼しく着るコツをお伝えします。  夏...
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あとがき

夏の着物は着る機会がないからと、
手放してしまわれる方が多いようです。

夏大島や芭蕉布など、希少な材質の着物が、
アンティークフェアにはたくさん出ているので、
6月29日~7月1日まで開催される、
第71回京都アンティークフェアが楽しみです。

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