白大島や大島紬はお値段も高くて、
高級着物だと言われますが、
白大島とはどんな着物で、
大島紬とはどう違うのでしょうか。
また、
白大島はいつ、どのような場面で着る着物なのでしょうか。
着物通なら一つは持っていたい白大島ですが、
そんな白大島を着るときの、
帯を合わせるコーディネートについてまとめてみました。
白大島の特徴は何?白大島紬とはどういう着物?
白大島がどういう着物かという前に、
大島紬についてご紹介します。
大島紬は、“紬”と表記していますが、
現在では、紬糸は使わず、絹糸を使用して作られています。
今、大島紬と呼ばれているものには、
藍大島・泥大島・色大島・白大島・夏大島などがありますが、
“大島”としてもっとも有名なものは、
奄美島で自生するテーチ木(車輪梅)を煮だした液で糸を染め、
鉄分の多い泥に浸し、何度も繰り返して揉み込んで染める“泥大島”です。
本場大島紬は発祥の地である奄美大島と、
第二次世界大戦で島民が疎開した鹿児島県や宮崎県で織られています。
大島紬とはどんな着物でいつ着る着物?技法の特徴と色や模様の種類は
「大島紬は高い!」着物に興味がない方には、そんな情報だけが伝わっているようですが、大島紬とはどんな着物か、その工程の緻密さを知って頂ければ納得できるはずです。着物のおしゃれを楽しみたい人は、ぜひ大島紬とはどんな着物かを知って、大島紬の良さを肌で感じてください。 大島紬とはどんな着物大島紬とは、鹿児島県奄美大島と鹿児島市周辺、宮崎県都城市で作られている、平織の絹織物のことです。奄美大島で作られて入りものを『本場奄美大島紬』といい、鹿児島や宮崎で作られているものを『本場大島紬』と呼びます。大島... 大島紬の着物とはいつ着るどんな着物?製造工程 技法の特徴と色や模様の種類は? - きもの お着楽ざんまい |
白大島は、大島紬の中でも地糸を染めずに織り上げた、
白をベースとした明るい色調になります。
多彩な色使いの絣は爽やかな印象を与えてくれますが、
泥染め大島紬の風合いには及ばないという欠点もありました。
戦後、鹿児島県に移り住んで大島紬を織っていた人が、
薩摩焼の原料となる白土に注目し、
これを白泥に加工して細かな粒子をもみ込むことで、
泥大島のような豊かな風合いを持たせることに成功しました。
鹿児島は、桜島に代表される火山が有名です。
先日、ブラタモリでも紹介されていましたが、
鹿児島にはシラス台地という火山灰でできた土壌があり、
薩摩焼にも使われています。
白大島は、陶芸に使われる白土(カオリン)を水に溶かし、
不純物や鉄分を沈殿させたアルミ質が残っている水で、
糸を染めることを何度か繰り返します。
これが白泥をつかった特許製法の白大島紬です。
実はこの白泥染めの特許技法『白恵泥(はっけいどろ)』を開発した
恵大島紬織物は、タレントの恵俊彰さんのご実家で、
白恵泥は恵俊彰さんのお父様が開発されたものなのだそうです。
完成した白恵泥染の大島紬は従来の白大島と比べ、
しなやかな風合いでシワに対する回復力が強い素晴らしいものでした。
そして白泥は染料ではなく顔料の性格を持つため、
絹糸の弱点である色あせ、黄変にも強いものとなったのです。
しかし残念ながら、後継者不足で『恵大島紬織物』は、
機を閉じることになったそうです。
今後、白大島紬という着物がもう作られないのかと思うと寂しく感じます。
白大島をお持ちでしたら大切にしてくださいね!
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白大島紬を着る季節はいつで場面は?
白大島は夏の着物だと思われている方がおられるようですが、
白大島は他の藍大島や泥大島などと同じで、
袷に仕立てれば、
袷の季節に着る着物ですし、
単衣に仕立てれば、
盛夏を除く夏の季節に着る単衣の着物です。
色目が白いので、涼やかに見えるため、
夏物と思われるようですが、
盛夏に着る夏用の大島は、
白大島とは別に“夏大島”というものがあります。
夏大島とは、
盛夏用に強い撚りをかけた太糸を用いておった大島です。
強い撚りと太さのおかげで織り目に隙間ができ、
透け感と通気性が生まれます。
鈍い光沢とシャリ感があり、涼感のあることが特徴です。
夏大島とはどんな着物?特徴は何で着る時期や帯の合わせ方で注意することは?
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白大島のコーディネートにどんな帯を合わせばいいのか
今、大島紬のコーディネートを考えた時、
一番にチェックしたいのは”白大島”です。
着物のコーディネートで、よく耳にする言葉ですが、
染めの着物に織りの帯
織りの着物に染めの帯
これは一般的に言われる言葉です。
織りの着物でも、付け下げや訪問着のような柄付けのものがあります。
とてもおしゃれで素晴らしいきものです。
このような着物は、軽めの付け下げや訪問着と同格の着物となり、
ディナーやコンサート、観劇などに適しています。
お洒落着として、
普段より少しおめかししたいときにはピッタリの着物ですが、
結婚披露宴などの改まった席には不向きです。
いくらお値段が高くても、
織りの着物は趣向性の高い普段着の着物ということで、
礼装には用いません。
ですから、泥大島や色大島、藍大島と一緒で、
白大島に合う帯は、塩瀬の名古屋帯もしくは、
洒落袋帯などが良いと思います。
織りや染めの技術には、昔から精緻な技法か用いられ、
多種多様なものがあります。
着こなし方や着物の楽しみ方も、どんどん変わっていくと思います。
礼装に関する着こなしは別として、
お洒落着や普段着の定義といわれるものは、
なくなっていくのかもしれません。
帯や着物をコーディネートする時も、
その人の感覚を重視してもいいのかと思いますが、
選ぶ感覚に自信が持てないときは、
これまでの一般的な用い方に従う方が無難なのではないでしょうか。
『私はコレでいいの!』っていう人は別ですけど。。。
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あとがき
あらゆるものが進化し、進歩していきます。
考え方も、やり方も。
でも、古い物の中にもたくさんの良いものがあります。
それを知った(認め)うえで、
変わっていくのは時の流れかも知れません。
もっと自信をもってこれはいいと言えるものを、
見つけだせる目を養いたいと思います。