きもの お着楽ざんまい

伊勢木綿の着物を着る季節はいつ?着こなしのコーディネートやお手入れ方法 歴史や特徴は?

伊勢木綿の着物は、
シンプルかつ大胆な格子柄とポップな色彩のバランスが絶妙で、
インスタグラムでとても可愛いと話題になっています。

この伊勢木綿の着物は、
カジュアルな普段着として、
真夏以外の季節に楽しむ着物です。

伊勢木綿の着物が多くの人に愛される理由は何なのでしょうか。

評判の高い伊勢木綿の着物の特徴について、
また、着こなしのコーディネートやお手入れの方法や、
その歴史ついてまとめてみました。
  

伊勢木綿の着物を着る季節はいつ?

伊勢木綿のきものは、
シンプルかつ大胆な格子柄とポップな色彩のバランスが絶妙で、
今、インスタグラムでも大評判です。

まさに伊勢木綿の着物は、きものを楽しむ人のための着物で、
カジュアルな普段着の着物です。

普段着の着物というと、
どうしても上等でない着物という扱いになりますが、
個人的には、素材の材質によって位付けするのは好みません。

むしろ、織りの着物こそ、
個性を発揮できるパーソナルファッションとして、
普段着というよりは『楽しみ着』と言いたいと思います。

この『楽しみ着』として着られる織りの着物の中でも、
伊勢木綿のような木綿の着物やウールの着物は、
生地自体に重みがあるので、
裏地をつけず単衣仕立てにすることが多いのです。

さらに気軽に着ることが出来るように、
衿も広衿ではなくバチ衿に仕立てます。

『着物を着ます!』みたいな気取らずに、
気楽に着るものだからです。

伊勢木綿の着物は、単衣仕立てにしてあるということで、
着る季節はいつなのかということですが、
7月・8月の盛夏には、暑すぎるので着ません。

しかし、5月・6月・9月の単衣のシーズンだけでなく、
盛夏を除く一年中着られる着物なのです。

暑さ寒さの調節は、
中に着る長襦袢や肌襦袢などの材質で加減をし、
さらに寒い冬の外出にはコートやショール、羽織などで対応します。

5・6・9月などの単衣の季節は、夏用の肌着を着用すると快適です。


一般的に夏の着物と言えば、単衣物や薄物になり、単衣は6月と9月、薄物は7月と8月と言われています。しかし、地球温暖化の影響で、夏はさらに早くから暑くなり、5月でも単衣を着てもいいような風潮になってきています。でも、暑いから着物を着ないというのは、ちょっと寂しいですね。どうにかして夏でも着物を涼しく着られるような工夫をして、夏の着物を楽しんでみませんか?着物を着る人が少なくなる夏だからこそ、着物を涼しげに着こなして、すてきな夏を過ごしたいものです。そんな夏の着物を涼しく着るコツをお伝えします。  夏...
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伊勢木綿の着物の着こなしのコーディネートとお手入れ方法は?

伊勢木綿の着物の着こなしコーディネート

昭和の後半、アメリカやヨーロッパのファッションが台頭し、
しだいに日常にきものを着る人が少なくなっていきました。

普段着に着物を着るという人は、極限られてしまい、
木綿やウールの着物は、どんどん姿を決していきました。

結婚式や入学式、成人式などの儀式や儀礼の場面では、
正装や礼装、準礼装といわれる着物は残りましたが、
それらは『やわらかもの』と言われる絹を使った後染めの着物です。

伊勢木綿などの着物は先染めと呼ばれる『織りの着物』で、
正装用の着物ではないとされています。

しかし、本当の着物の楽しみ方は、
『織りの着物』にこそあると思います。

伊勢木綿の着物は、着こなしのコーディネートというような難しいことを考えず、
気軽に楽しんで着ることで、着慣れてくる着物ではないでしょうか。

ここ最近、夏になると浴衣を着て楽しむ人が増えてきましたが、
夏以外の季節に楽しめるきものが、この伊勢木綿のような着物です。

木綿の着物なら浴衣といっしょじゃない!?って言われましたが、
浴衣は白い木綿の生地に柄を後から染めた後染めです。

伊勢木綿の着物は、綿の実(コットンボール)から紡いだ糸を、
染めてから織り上げる先染めの着物です。

ですから、帯結びも浴衣のように半幅帯で蝶々に結んだり、
貝の口に結んだりして、
家でくつろぐときも、ちょっとぶらっと出かけるときにも、
楽しめます。

きものライフを楽しむ雑誌には、
新しい着物のコーディネートをたくさん紹介しています。

伊勢木綿の着物は、カジュアル着物になりますので、
普段の洋服感覚で、いろいろなコーディネートを楽しめます。

他の着物よりも気軽に着ることができる伊勢木綿の着物は、
小物次第で様々な表情を見せてくれます。

今までの感覚では許されなかったような着こなし方も、
これからはどんどんアリな時代になって行って、
日本の着物は新しい時代を迎える時が来ているような気がします。

伊勢木綿の着物に、
ベレー帽とパンプスを合わせてみたり♪
草履ではなく下駄を合わせてみたり♪
柄on柄のコーディネートを楽しんでみたり!

可能性は無限大に広がっていきます!

お気に入りの一着を、
様々なコーディネートで楽しく着てくださいね♪

伊勢木綿のお手入れ方法

《着終わった後の始末》

着物を脱いだらすぐに畳まず、全体の汚れをチェックします。

乾いたタオルでホコリを取るようにして、全体をチェックします。

もしも汚れていたら、早めに処置をします。

衿や袖口、裾まわりの汚れは、ベンジンなどで拭き取ります。

自分で取ることが出来ないようなシミや汚れがあったら、
クリーニング屋さんに相談してみましょう。

汚れなどが無かったら、半日ほど日の当たらないところに掛けて、
湿気を飛ばします。

この時、強くシワになっているところは、
軽くたたいて伸ばしておいてください。

湿気が取れたら、
たたんで、たとう紙で包んで収納します。

《洗濯の仕方》

★伊勢木綿は、多少色落ちすることもありますので、
他のものといっしょには洗わないようにしましょう。

★おしゃれ着洗い用の洗剤を薄めた溶液で、手洗いしますが、
セーターを洗うときのように、やさしく押し洗いが最適です。

★洗濯機で洗いたいという人は、
洗濯ネットに入れて、手洗いモードで洗ってください。

★手織りのものは、濡れているときに熱を加えると、
縮んでしまいますので、乾燥器は使わないでください。

★強い脱水は良くありません、
できればあまり絞らずに干すようにしてください。

★洗濯をする前に襟や袖の丸みに簡単にしつけをしておくと、
洗濯による生地のヨレや型崩れを軽減することができます。

★干すときには、地の目に沿って軽く引っ張り、
パンパンと叩いてシワを伸ばして陰干しにしてください。

★半乾きの時に取り込んでアイロンを当てると、
シワはきれいに伸びます。
(アイロンは裏から当てるか、当て布を使ってください)

★完全に乾いた状態でたたみ、たとう紙で包んで収納します。

販売されている伊勢木綿の多くは、縮み防止加工が施されていますが、
湯通し・水通し加工をしていても、
木綿の性質上、多少は縮んでしまうことがあります。

仕立てる段階で、
多少の縮を考え大きめに仕立てる方が良いと思います。




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伊勢木綿の着物の歴史や特徴は?

伊勢木綿の着物の歴史について

三重県の伊勢平野で織られている木綿織物の総称を伊勢木綿と呼びます。

伊勢木綿は、織られている地区によって、
桑名縞、富田木綿、白子木綿、神戸木綿、阿津野木綿などと呼ばれました。

この地方で綿花を栽培し、紡いで布を織りだしたのは、
文禄年間(1592年~1596年)と言われます。

やがて県内各地に広まり、
農家の副業として木綿布が織られるようになりました。

江戸時代中期までは盛んに織られ、
地震により一時期、生産が少なくなりました。

それでも伊勢地方は、江戸時代後期から昭和の戦後まもなくまでは、
日本の木綿織物の中心でした。

伊勢木綿の着物の特徴について

伊勢木綿は単糸という、
綿を紡いで、撚り合わせたり引き揃えたりしていないベーシックな糸を、
使用しています。

上質な単糸を藍で染め、織られた布は、
柔らかい肌触りで、保湿性や通気性の良いことで知られています。

伊勢木綿の着物を見てまず驚くのがその柄行の斬新さで、
この柄が昔ながらの柄だなんて驚きです。

斬新なのに、
それでいてどこか懐かしさも感じるのが伊勢木綿の面白いところ、
その伝統の柄に心ひかれます。

伊勢木綿の着物は柔らかくて、肌触り抜群♪

伊勢木綿は袖を通すごとに、
水をくぐるごとにしなやかになっていきます。

保湿性や通気性にもすぐれ、
使い込めば使い込むほど風合いに味わいが出てきます。

しなやかで柔らかな伊勢木綿の着心地の良さは、
撚りの弱い糸をゆっくりと織りあげられるために生まれる風合いです。

伊勢木綿に用いられる単糸は、そのままでは切れやすく、
織るのがとても難しく、良質の綿を使った糸でしか織れないのです。

布を織るときにより密度の高い布地にするため、
横糸には糊付けしません。
でも、縦糸には、柔らかく切れやすい繊細な
弱撚糸を使っているため、澱粉糊で糊付けをします。

その柔らかい糸を、慎重にゆっくりと織りあげていった伊勢木綿は、
何度も洗っているうちに糊が落ち、
着れば着るほど柔らかくなっていきます。

優しく織られているので、着心地も優しい伊勢木綿は、
シワになりにくく、肌触りと保湿性や通気性にも優れた快適な着心地です。

着物といえば絹の着物ばかりが目立って、木綿織りの着物は少なくなってしまいました。着物自体着る人が少なくなり、しかも、着物を着るときは特別なときということで、普段着に着物を着る人はさらに少なくなってしまいました。しかし、木綿の着物は肌触りもよく、扱いも楽なので、普段のお洒落着として、根強い愛好家の間では、木綿絣は人気があります。そんな木綿絣の産地とともに、その特徴をまとめてみました。ゆかたの次は木綿の着物でおしゃれを楽しみましょう!  木綿の着物 生地の種類は?世界的に見ると、木綿は五~六千年の...
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伊勢木綿の機織り

伊勢木綿の織元では、
今でも明治時代から動いている数十台の豊田式力織機が、
色・縞・格子柄など、さまざまな伊勢木綿を織り上げています。

現在でも100年以上前の機械を使うことで、
素朴でやさしい風合いを生み出しているのです。

伊勢木綿は織っている間ずっとベテランの織り子さんがすぐそばに待機し、
絶えず織りあがりに目を配ります。

紐で「くちあき」と呼ばれる縦糸の空間を、
調整するのが織り子さんの重要な仕事です。

糸の調子や織り上がりを見守り、
途中、何度もくちあきを調整します。

この細やかな微調整こそが、
織り上がりの風合いを決める大切な手仕事です。

伊勢木綿の機織りは、およそ1分間に織り上がるのは約3センチほどで、
一反分約13mを織り上げるのに、まる一日程かかります。

織り上がった伊勢木綿は、一度水通しをし、
陰干しを経て店頭へと並びます。

やわらかく、どこかぬくもりが感じられる伊勢木綿は、
こうして今日もひとつひとつ、丁寧に織り上げられています。

伊勢の静かな町の片隅で、今日も“カタンコトン♪”と、
伊勢木綿は織り上げられています。

単衣の着物を着るときの長襦袢の選び方に、悩まれている方が多いようです。着る場面によっての決まりごとがあって、きものは難しいと感じられる方が多いのですが、地球温暖化の影響もあって、時期と体感温度が昔とは違ってきているようです。そんな時「〇月だから、これを着なければいけない!」とか、「〇月になったら、それは着てはいけない!」などというのはナンセンスだと思います。そんなことを言うから、着物を着ようと思う人が少なくなるのは当たり前ですね。暑いから、涼しいように、寒いから暖かいように着るのが衣服の目的...
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あとがき

伊勢木綿の着物は、単衣仕立てなので、
気軽に着られて、お手入れもカンタン。

きものライフの第一歩には最適な着物です。

伊勢木綿の着物で、くつろぎの大切な時を装えば、
素敵な時間が流れます。

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