きもの お着楽ざんまい

七福神の名前の読み方と由来は?それぞれ何の神様でご利益を簡単に!

七福神という言葉は聞いたことはあっても、
それぞれの神さまのお名前までは、
よく知らないという方も多いのではないでしょうか。

七福神名前の読み方と由来、
それぞれ何の神様でご利益を紹介したいと思います。

七福神名前の読み方と由来は?

七福神は『しちふくじん』と読みます。

■七福神の由来

庶民の身近にあって、
暮らしに幸運をもたらす七柱の福の神「七福神」が、
現在のような形で人々に定着したのは江戸時代中頃です。

浮世絵にも宝船に乗った七福神が描かれ、
正月には初詣でを兼ねての
七福神詣でが庶民の間で盛んに行われました。

それまでは三福神だったり五福神だったり、
神々も一定ではありませんでしたが、
享和年間(1801~3)には、
恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋尊、福禄寿、寿老人と、
今の顔ぶれに落ち着いたと言われています。

実はこの七柱のうち、
恵比寿を除いて六柱は、
インドや中国など海の向こうからやってきた神々なのです。

■七福神読み方

・恵比寿(えびす)
・大黒天(だいこくてん)
・毘沙門天(びしゃもんてん)
・弁財天(べんざいてん)
・寿老人(じゅろうじん)
・福禄寿(ふくろくじゅ)
・布袋尊(ほていそん)

と読みます。

七福神 それぞれ何の神様

・恵比寿(えびす)

七福神中で唯一の日本の神様。

いざなみ、いざなぎの二神の第三子といわれ、
満三歳になっても歩かなかったため、
船に乗せられ、捨てられてしまい、
やがて漂着した浜の人々の手によって手厚く祀れたのが、
信仰のはじまりと伝えられています。

左手に鯛をかかえ、
右手に釣竿を持った親しみ深いお姿の、
漁業の神で、
特に商売繁昌の神様としても信仰が厚い神様です。

・大黒天(だいこくてん)

大黒天は、
大自在天の化身ともいわれ、
大国主命と神仏習合したものです。

一度仏となったが、
人々に福徳を授けるために、
再びこの世に現れたと言われています。

大地を掌握する神様(農業)でもあります。

大きな袋を背負い、打出小槌をもち、
頭巾をかぶられた姿が一般によく知られていて、
財宝、福徳開運の神様として信仰されています。

・毘沙門天(びしゃもんてん)

毘沙門天は、
四天王の一仏で、別名「多聞天」といい、
七福神の中で、唯一の武将の姿をしていて、
右手に宝棒、左手に宝塔、
足の下に邪鬼天の邪鬼を踏みつけています。

七福神では、
融通招福の神として信仰されています。

・弁財天(べんざいてん)

弁財天は、
七福神の中で、唯一の女神で、
元はインド河(水)の神でありましたが、
やがて音楽の神、言語の神となり、
日本に伝わった当初は、弁才天と呼ばれました。

その後、
財宝・芸術に関係深い吉祥天の性格が吸収され、
弁財天といわれるようになり、
財宝を授けてくださる神へとなりました。

知恵財宝、
愛嬌縁結びの徳があると言われています。

・寿老人(じゅろうじん)

寿老人は、
福禄寿と同じく星の化身で、
にこやかな微笑みをたたえ、手には巻物を括り付けた杖、
そして団扇や桃などを持ち、
鹿を従えた姿が一般的に知られています。

団扇は難を払い、桃は長寿のしるしで、
鹿もまた長寿の象徴です。

長寿延命、富貴長寿の神として信仰されています。

・福禄寿(ふくろくじゅ)

福禄寿は、
名前は、幸福の福、身分をあらわす禄、
寿命を表わす寿の三文字からなり、
中国、道教の長寿神。

南極老人星の化身であり中国の村や町に住み、人々の信仰を集めたといわれる仙人です。

長い頭、長い顎鬚、大きな耳たぶをもち、
年齢は千歳という。

長寿、幸福の徳を持ち、
鶴と亀を連れて、左手に宝珠、
右手に巻物を括り付けた杖をもつ姿が特徴です。

招徳人望の神様として信仰されています。

・布袋尊(ほていそん)

布袋尊は、
弥勒菩薩の化身といわれ、
いつも笑顔を絶やさず人々に接していた人で、
大きな袋には宝物がいっぱい入っていて、
信仰の厚い人に与えられたといいます。

笑門来福、夫婦円満、子宝の神として信仰が厚いです。

七福神のご利益を簡単に!

七福神の、ご利益を簡単に紹介したいと思います。

■恵比寿(えびす)

釣竿を持ち、
鯛を小脇に抱えているなど、
海が連想される姿をしています。

大漁をもたらすことから転じて、
のちに商売繁盛のご利益をもたらす神様として、
信仰されるようになりました。

出身:日本
ご利益:商売繁盛
見分け方:釣竿・鯛

・おすすめスポット

富岡八幡宮(東京都):深川七福神
荏原神社(東京都):東海七福神

■大黒天(だいこくてん)

打ち出の小槌や福袋からわかるように、
財運福徳のご利益がありますが、
そこから派生して、
農作物の豊作をもたらす五穀豊穣の神様ともされています。

出身:インド×日本
ご利益:五穀豊穣
見分け方:米俵・打ち出の小槌

・おすすめスポット

浅草寺(東京都):浅草七福神
銀座幸稲荷神社(東京都):銀座七福神

■毘沙門天(びしゃもんてん)

七福神のなかでは珍しい、
兜をつけた勇ましい出で立ちをしており、
武将のイメージを彷彿させます。

武運の神様として、
楠木正成や上杉謙信などの戦国武将からも信仰を集め、
とりわけ上杉謙信は、
自らを毘沙門天の化身とまで信じていたという話も有名です。

いかめしい顔つきをしていることから、
福を呼ぶだけでなく、厄除けの役割も果たします。

出身:インド
ご利益:厄除け、福徳
見分け方:兜

・おすすめスポット

善国寺(東京都):新宿山ノ手七福神
多聞寺(東京都):隅田川七福神

■弁才天・弁財天(べんざいてん)

七福神のなかで唯一の女神で、
才能と財産を兼ね備えているとされます。

このことから、
「弁才天」「弁財天」と2種類の表記が使われています。

インドの神話に登場する、
水と芸術・学問を司る神様・サラスヴァティーがモデルとされ、
仏教に取り入れられたあと日本に伝わりました。

美しい天女の姿をしており、
琵琶を持っているのが特徴です。

広島県の厳島神社や湘南の江の島など、
水と関わる場所にお祀りされています。

出身:インド
ご利益:音楽・芸能、学問成就、財運
見分け方:琵琶・天女姿

・おすすめスポット

小網神社(東京都):日本橋七福神
不忍池辯天堂(東京都):谷中七福神

■寿老人(じゅろうじん)

中国の道教の神様で、
見ると寿命が延びるといわれてきた南極星の化身とされます。

長い頭と白いひげが特徴で、
由来や特徴が似ている福禄寿と、
1柱に合体されることもあります。

また、寿老人は長命のシンボルである鹿を従えていて、
手に桃を持つ姿で表されることが多いので、
見分けるポイントとして知っておきましょう。

出身:中国
ご利益:長寿延命、諸病平癒
見分け方:鹿・桃

・おすすめスポット

白鬚神社(東京都):隅田川七福神
鷲神社(東京都):浅草七福神

■福禄寿(ふくろくじゅ)

モデルにしている仙人が寿老人と同じと言われ、
福禄寿も道教の神、かつ南極星の化身です。

幸福(福)・身分(禄)・寿命(寿)の
すべてを兼ね備えていることから、福禄寿と呼ばれます。

寿老人と同様に長い頭と白いひげが特徴で、
杖をついています。

福禄寿は長寿の象徴である鶴や亀を従えていることがあるので、
従えている動物で見分けるのがポイントです。

出身:中国
ご利益:子孫繁栄、財運招福、健康長寿
見分け方:鶴・亀

・おすすめスポット

向島百花園(東京都):隅田川七福神
今戸神社(東京都):浅草七福神

■布袋(ほてい)

七福神のなかでは、唯一実在した人物で、
中国の禅僧がモデルとされています。

日本に伝わると、
水墨画に描かれる存在として人気が出るようになり、
徐々に福の神として信仰されるようになりました。

そのため、
福々しい笑顔と太鼓腹、大きな袋を肩に担ぐ姿で表されます。

担いでいる大きな袋は、
堪忍袋(かんにんぶくろ)といわれ、
我慢の限界をあらわす
「堪忍袋の緒が切れる」という言葉はここからきています。

出身:中国
ご利益:笑門来福・夫婦円満
見分け方:太鼓腹・堪忍袋

・おすすめスポット

弘福寺(東京都):隅田川七福神

■七福神巡り

七福神巡りとは、
文字通り七つの福を授けてくれる七つの神様を、
順番に巡るというものです。

七福神巡りをすることで、
「七つの災難を除き、七つの幸福を授かる」
というご利益があるといわれています。

「七つの災難を除き、七つの幸福を授かる」というのは、
仏教の経典にある、
七難即滅・七福即生(しちなんそくめつ・しちふくそくしょう)
に基づいています。

あとがき

なぜ、七福神は宝船に乗っているのか
気になっている方も多いと思います。

それは、
宝船はおめでたいものを詰め込んだ船だからです。

そもそも宝船とは、
縁起物を乗せた船のことです。

古くは、稲穂や米俵を乗せたものが主流でしたが、
次第に打出の小槌・千両箱・鶴亀など、
様々なおめでたいものを乗せるようになりました。

お正月は宝船の絵を枕の下に置いて寝てみてください。

縁起の良い初夢がみられるかもしれませんね。

モバイルバージョンを終了