新年のお茶会『初釜』には、
どのような着物を着ていけばいいのか、
その着物には紋が必要なのか、
色無地と訪問着、どちらが相応しいのか、
お茶会のお誘いを受けても、悩むことがいっぱいです。
初釜というお茶会での着物の選び方と、
帯の合わせ方についてまとめています。
初釜に着ていく着物に紋は必要か?
初釜は、新しい年に茶道のお稽古を始める日のことで、
茶道の会の新年会のようなものです。
茶道の世界では、新年の元旦に初めて汲む水で釜を開き、
新年のご挨拶を済ませてから、お招きしたお客様に、
その年最初のお茶を振舞うことが初釜です。
初釜では、懐石料理をいただき、
お点前を拝見してお濃茶やお薄茶をいただきます。
初釜は、新年のご挨拶をするお茶会ですから、
和装で行かれることが正しいのです。
未婚の若いい女性の方は振袖が一番相応しく、
既婚女性や、落ち着いた装いの方がお好みの方は、
色無地や訪問着が適しています。
この時、色無地や訪問着に紋が必要かどうかで悩まれる方が多いのですが、
お茶席の格や、茶道の先生によっても考え方はいろいろあるようですので、
やはり、先生にお尋ねになることをおすすめします。
お茶会に出席される方の御顔ぶれによって考えた方がよいと思います。
色留袖は、既婚女性の第一礼装である黒留袖と同格ですが、
その時、色留袖は染め抜きの五つ紋で、
白の下重ね、もしくは比翼仕立てのものです。
第一礼装ですから、結婚式や授賞式の時などに着ますが、
帯は金銀の入った織りの袋帯か丸帯を締め、
帯揚げや帯締めも、
黒留袖の時と同じように、白(金銀は入っていても良い)を用います。
しかし、お茶会の席に色留袖は少々堅苦しくなりますので、
紋の数を一つか三つまでにすると少し柔らかくなり、
格式ある茶会の席でも着用することが出来ます。
訪問着の裾模の模様は、留袖と同じようにつながっていますが、
留袖と違い、衿元と袖付けのところにもつながった柄があります。
訪問着は、一般的なお茶会や、初釜にも相応しい着物です。
出来れば茶席では一つ紋を入れ、品のある色味で古典柄のものを選びます。
色無地は一つ紋を入れることによって、略礼装として着ることが出来ます。
紋の数が増えるほど(一つより三つ、三つ紋より五つ紋)着物の格が上がりますが、
紋も、染め抜きもの以外に、陰紋にしたり、縫い紋にしたりすることで、
着物の格を調節できますが、
あまり着物の格を上げ過ぎると、着ていく場所を選んでしまいます。
一つ紋を付けた色無地は、着用する場面を広げてくれるので、
茶会で最も無難な着物になり、茶会用にはじめて着物を作る方には、
色無地がいちばんのおすすめになります。
お茶会といっても、少し改まったお茶会から、大寄せのお茶会まで色々あり、
趣旨によって着るべき着物も変わってきます。
改まったお茶会では、紋付きの着物を中心に着ます。
初釜に着ていく着物は色無地か訪問着か?
初釜に着ていく着物は、色無地か訪問着、
どちらが相応しいのかということですが、
お茶会で着る着物を選ぶ時は、亭主のもてなしの邪魔にならないよう、
着物が主張しすぎないように気を付けなければなりません。
お茶会に出席される場合、
お手伝いをするのか、招かれたのか、その立場によって、
また、
先生が着られるお着物によっても気を使わなければいけません。
はっきりとどのような着物を着ればいいかを、
先生に直接伺う方がよいと思います。
初釜のレベルが身内のものなのか、
社中以外のお客様も招いて正式に行うものなのかによって、
正装度が変わってくると思います。
流派にもよりますが、無難なところでは、
お茶会の正装は紋付の色無地です。
ただ、初釜ですとちょっと華やかにということもありますので、
訪問着の方が適していることもあります。
一般的に初釜にも付下げはOKですが、
『お茶会に着る着物は家紋がないと・・・・』
という考えの先生もいらっしゃいますし、
また、茶名を持っていない人は家紋付きの着物はダメ、
という先生もいらっしゃいます。
近頃売られている付け下げは、
仕立て方で訪問着のように柄をつなげることが出来るものも多くなっています。
付け下げ訪問着と言われる物もあり、
普通の付け下げは、巻の反物で売られていますが、
付け下げ訪問着の中には、仮絵羽仕立てされているものもあります。
近年は仕立ての技術も向上しているので、訪問着と見分けが付きにくいのです。
付け下げ訪問着も、付け下げも、お茶席で着るのならば、
古典柄のものを選び、一つ紋を入れますが、
紋が入っていると、ほかの場合で着るときに着にくくなるかもしれません。
お茶会の中でもいろいろ格があり、
初釜は最も格が高いフォーマルなものです。
そしてお濃茶は薄茶よりもフォーマルで、
1つ紋の訪問着が相応しいく無難でもあります。
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初釜に着ていく着物の帯の合わせ方は?
昔から、染めのきものに織りの帯、織りのきものに染めの帯と言われ、
色無地や訪問着などの染のきものには、織りの帯がよく合います。
色無地や訪問着を初釜などのお茶会に着ていく場合、
織の袋帯を二重太鼓に締めるのが一番適しています。
初釜は、新年のご挨拶の会ですから、
織の帯も、金糸銀糸が用いられた袋帯が良く似合います。
初釜に着ていく着物は、
淡い色目の色無地で一つ紋の着物や、
古典柄の訪問着に、金襴を用いた袋帯という組み合わせが良いようです。
また、
着物を着る際には、道具を傷付けないようアクセサリーは全て外し、
爪も短く切り揃えておき、マニキュアなどは落としておきます。
髪の毛が襟にかかる長さの方は、すっきりとまとめ髪にし、
派手な髪飾りは使わないようにします。
化粧も、派手になりすぎることは避けて、
口紅は落ちにくいタイプにすると言った気遣いも必要です、
香水など香りのきついものは、
お茶席では邪魔となりますので控えた方が良いです。
あとがき
茶会で着る着物には、
いくつかの決まり事があるようで、一瞬躊躇します。
茶会の時期や茶会の趣旨によって選ぶ必要がありますし、
初釜ならばなおさらです。
でも、
そんな緊張感が人間力を成長させてくれることもあるようです。