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伝統的工芸品と伝統工芸品の違いは何?伝統マークの意味と伝統的工芸品産業振興協会とは?

伝統的工芸品と伝統工芸品って、
同じものだと思っていました。

とてもややこしいのですが、
伝統的工芸品と伝統工芸品は違っていたのです。

日本に古くから伝わる、伝統工芸品は、
全国各地で今も作り続けられています。

しかし、伝統「的」工芸品になると、
ニュアンスが違ってきます。

今回は、
伝統工芸品と伝統的工芸品はどう違うのか、
また、
伝統マークの意味と
伝統的工芸品産業振興協会について調べてみました。

伝統的工芸品と伝統工芸品の違いは何?

まず、伝統工芸品と伝統的工芸品は、
それぞれどういう意味なのか紹介したいと思います。

■伝統工芸品とは?

そもそも「伝統工芸」とは、
長い年月にわたり継承している技術が用いられた、
工芸や美術のことを指します。

そして、
伝統工芸を用いてできた作品が「伝統工芸品」となります。

明確な定義はないのですが、
各都道府県や自治体が、
「伝統工芸品」であると認めたものは伝統工芸品です。

承認される工芸品の特徴は…

・長い歴史があること

・日常生活で使用されていること

・熟練の技術で作られていること

・主要部分が手作業で作られていること

があげられます。

また、都道府県や自治体等、
誰か固有の人物が決めるのではなく、
手作業で作られる工芸品を多くの人が認めれば、
それが「伝統工芸品」であるという見方もあります。

現在、伝統工芸品は、
日本全国で約1200種類もあると言われていますが、
伝統工芸品と伝統的工芸品の区別を付けずに、
全部をひっくるめて
「伝統工芸品」と言っている場合もあります。

■伝統的工芸品とは?

伝統的工芸品とは、
経済産業大臣が指定した
「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて
認められた伝統工芸品のことを指します。

この「的」には、

「工芸品の特長となっている原材料や技術・技法の
主要な部分が今日まで継承されていて、
さらに、その持ち味を維持しながらも、
産業環境に適するように改良を加えたり、
時代の需要に即した製品作りがされている工芸品」

(一般社団法人・伝統的工芸品産業振興協会HPより)

という意味が込められています。

「伝統的工芸品」に認定されるには、
いくつかの要件をクリアする必要があります。

その要件とは…

・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること

・日常生活で使用されていること

・主要部分が手作業で作られていること

・一定の地域で産業が成り立っていること

これらが、要件です。

しかし、
工芸品を作っている産地が、
経済産業大臣に申請をしなければ、
審査をしてもらうことができません。

そのため、
「伝統的工芸品」の要件を、
すべてクリアしている工芸品でも、
申請をしていない工芸品もあるというのが現状です。

★伝統的工芸品と伝統工芸品の違いは

「伝統工芸」とは、
長い年月にわたり継承している技術が用いられた、
工芸や美術のこと。

伝統的工芸品とは、
経済産業大臣が指定した
「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」
に基づいて認められた伝統工芸品のこと。

という違いがあります。

伝統的工芸品と伝統工芸品の伝統マークの意味は何?

「伝統マーク」とは、
伝統的工芸品の表示、
その他の宣伝について、
統一イメージで消費者にアピールするために定められた、
伝統的工芸品のシンボルマークです。

経済産業大臣の指定を受けた
伝統的工芸品産業全体で使用することとしています。

伝統マークは、
伝統の「伝」の字と、
日本の心を表す赤い『日の丸』を組み合わせたものです。

伝統的工芸品の表示のために、
伝産協会が発行する
伝統マークを使用した証紙を「伝統証紙」といいます。


この表示は、
特定製造協同組合等が、
経済産業大臣の認定を受けた
振興計画及び経済産業省製造産業局長の認定を受けた
「伝統証紙表示事業実施規程」に基づいて、
特定製造協同組合等が実施することができます。

伝統的工芸品産業振興協会とは?

一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会は、
伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、
伝統的工芸品産業の振興を図るための中核的機関として、
国、地方公共団体、
産地組合及び団体等の出捐等により設立された財団法人です。

全国の伝統的工芸品産業の振興を図るとともに、
一般消費者、生活者が、
伝統的工芸品を正しく理解していただくことを目的として、
国、地方公共団体、産地組合
及びその他の機関の協力を得て各種事業を行っています。

■伝統工芸品の種類

伝統工芸品と一言にいっても、種類は様々です。

織物、染織品、その他繊維、陶磁器、漆器、木工品、竹工品、
金工品、仏壇・仏具、和紙、文具、石工品、人形、
その他の工芸品、工具用具・材料などの種類に分かれています。

そして、
うちわ(その他の工芸品)やタンス(木工品)も、
伝統工芸品に含まれています。

日本人が普段使っている身近な物の多くが、
実は伝統工芸品なのです。

■伝統的工芸品は232品目

経済産業大臣が指定している「伝統的工芸品」は、
2019年7月現在、232品目あります。

■県が指定する伝統工芸品(伝統的工芸品を含む)

県が指定している伝統工芸品で、
特に有名なものをご紹介します。

・東京都 41品目(伝統的工芸品含む数)

★江戸つまみ簪

歴史

江戸つまみ簪が誕生したのは江戸時代。

江戸つまみ簪は、
京都にある花びらのかたどった
「花つまみ簪」がルーツだと言われています。

つまみ簪は江戸で大流行となり、
そのままこの地に根付きました。

特徴

正方形に切られた薄いシルクの生地を、
ピンセットでつまんで折り畳むことで、
立体的な花や鳥などの形を生み出します。

日本の職人さんだからこそできる
指先の繊細な作業で作られたパーツは、
日本人ならではの繊細さと自然観が表れています。

・京都府 34品目(伝統的工芸品含む数)

★京象嵌(きょうぞうがん)

歴史

象嵌の技法はシルクロードを経て、
奈良時代に中国から仏教とともに日本に伝わったものです。

1000年以上の歴史があり、
刀の金具や宗教的な道具として使われてきました。

現在は細密な象嵌を駆使した
花瓶やアクセサリーなどに姿を変えています。

特徴

鉄生地に金や銀をはめ込んで作り上げるものです。

現在は大変細かい作業が必要となっています。

・大阪府 24品目(伝統的工芸品含む数)

★大阪張り子

歴史

張り子は、元々中国の技法が京都に伝わり、
その後全国に広がりました。

江戸時代には、
大阪でも作られていたことが
書かれている書物が残っています。

特徴

張り子は、
中が空洞になっている紙の置物で、
トラやダルマなどの形のものが多くあります。

・石川県 36品目(伝統的工芸品含む数)

★七尾和ろうそく

歴史

昔から、七尾で和ろうそくが作られていましたが、
江戸時代になると、
寺院での使用が増え、この地に定着しました。

また信心深い人が多かったため、
各家庭でも宗教道具として
ろうそくが用いられていたようです。

特徴

和ろうそくは、西洋ろうそくとは違い、
米ぬかや菜種などの自然のものから作られています。

また、
西洋ろうそくよりも長く火を灯せるのも特徴です。

・沖縄県 36品目(伝統的工芸品含む数)

★琉球焼

歴史

琉球王国があった時代に作られていた陶器です。
現在に至るまで作られ続けています。

特徴

琉球焼には二種類あり、
ダイナミックな上焼と、釉薬をかけずに作られる荒焼。

最近は改めて琉球焼に魅了される人が増えているそうです。

ここでは、
伝統工芸品が買えるお店やオンラインショップを
ご紹介したいと思います。

■伝統工芸品が買えるお店(店舗有り)

・伝統工芸 青山スクエア

住所:〒107-0052 東京都港区赤坂8-1-22 1F

伝統工芸青山スクエアの案内・展示会・イベント情報、
作品の製作工程・歴史の紹介など
日本の伝統的工芸品について詳しく解説。

オンラインショップで購入することもできます。

・中川政七商店

店舗数:60店舗以上

1716年創業の奈良の老舗。

「中川政七商店(暮らしの道具)」
「遊 中川(日本の布ぬの)」
「日本市(日本の土産もの)」など直営店を全国に展開。

・藤巻百貨店

店舗一覧:銀座店⁄吉祥寺店⁄名古屋イセタンハウス店⁄富山店

「日本」をテーマにした通販サイト。

財布・名刺入れ・バッグから衣服・食品など、
ジャンルの垣根を越えて、
一流の目利きが選ぶ珠玉の逸品を取り揃えております。

・和える

直営店舗:東京、京都

和えるは
『先人の智慧を私たちの暮らしの中で活かし、
次世代につなぐこと』を目指し、
次世代の子どもたちに
伝統をつなげる仕組みを創出するために誕生しました。

・東北スタンダードマーケット

実店舗:宮城県仙台市

東北スタンダードマーケットは
「暮らしをあたたかくする、東北生まれを手土産に」
をコンセプトに
東北各地の伝統工芸品や地場食品を販売し、
未来の東北のスタンダードを生むことを理念とするお店です。

伝統工芸品を買うことが出来きて、
オンラインショップもできるお店を紹介しました。

ご参考になさって下さい。

あとがき

いかがでしたでしょうか。

今回は、
伝統工芸品と伝統的工芸品の違いについてお伝えしました。

普段、
私たちの生活の中で何気なく使用している伝統工芸品たち。

忘れ去られてしまう前に、
国内外問わずより多くの方に認知してもらい、
この伝統文化を継承していきたいですね。

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